Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あめんちあ
あめんちあ
富ノ沢 麟太郎
Lesen Sie あめんちあ von 富ノ沢 麟太郎 (とみのさわりんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.594 Zeichen · 83 Bildschirme
そこには先ずありそうに思える井戸があった。
その傍には崩れかけた小さな土蔵がひしゃげて立っていた。
そこは彼女の家の裏口に当るところであった。
「ここはどう?」
彼女はその土蔵の戸を開けながら言った。
枢は砂を噛んで軋った。
彼は開けられた戸口から内の様子をひとわたり覗いてみた。
がらん堂でしかも淋しく黙した内部は、彼の薄れている瞳を迎えた。
そこは外見よりは綺麗でもあった。
「明日から来ます。
」
彼は低い調子の嗄れた声で言った。
―――――
青沼は影佐が明日一人で転居するということを聞いた時、黙したまま頸を振って点頭いた。
そうして青沼はペン軸を読みさしの書物の間へ挟んだ。
親友は何か物を言いたげであった。
彼はしずかに部屋を去った。
月が昇っているのか、ただ閉めてない廊下の上はほの白く灰色に鈍っていた。
そこを踏む彼の足裏はひやりと冷気を感じた。
*
彼の自由な生活は冬と春との境のように活気づいて来た。
八畳敷ぐらいに見えるその土蔵のなかに、彼は床を敷いたまま枕元には――「宝石培養法」――「毒人参」――シュワルツ・ホフマン博士が、人間の影を水銀のなかへ保存したことを書いた、「灰色のスフィンクス」