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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるまりのいっしょう

あるまりの一生

小川 未明

Lesen Sie あるまりの一生 (あるまりのいっしょう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.721 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

子供たちのいうことを、空で聞いていたまりは、かつて、自分のことなど、口にも出さなかったのに、いまはこんなに自分のことを子供たちが思っているかと思うと、うれしいような、悲しいような気持ちがしたのであります。そして、それほどまでに、自分を愛してくれるなら、たとえ自分は、どんなにつらいめをみても、子供たちを、喜ばしてやりたいというような考えになりました。

まったく、まりは、いまは雲の上にいて安全でありましたけれど、毎日、毎日、仕事もなく、運動もせず、単調に倦いていました。そして、だんだん地の上が恋しくなりはじめたのでありました。

まりは、地上に帰ろうかと考えました。そのとき、風は、彼にささやいたのであります。

「そんな気を起こすものではない。もしおまえさんが帰ったら、もう二度とここにはこられないだろう。そして、いままでよりか、もっといじめられるだろう……。」と、風はいったのであります。

雲は、また、まりに向かって、

「もう、あなたは苦しいことを忘れたのですか。ここに、こうしていたら、どんなに安心であるかしれない。あの子供たちも、じきにあなたのことなどは忘れてしまいます。