Japanische Klassiker mit Furigana
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あるニュー・フェイスへのてがみ
あるニュウ・フェイスへの手紙
岸田 国士
Lesen Sie あるニュウ・フェイスへの手紙 (あるニュー・フェイスへのてがみ) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.146 Zeichen · 96 Bildschirme
厄介なことは、この「勝手にしろ」に、だんだん、自信がついて来たことです。それもその筈で、豊かな、鋭い感性と、稀にみる複雑な性格とによって、彼の「勝手にしろ」は、箸にも棒にもかからぬ、図太い、ねばり強い、変貌自在な、そして同時に、陰翳に富んだ自己表出となるのです。果然、それは、俳優としての、羨むべき、ひとつの大きな魅力です。
僕がヴィユウ・コロンビエ座に通っている間に、ジューヴェと親しく話をしたことはあまりありませんでしたが、彼の座員としての言動は絶えず僕の注意を惹きました。
稽古中、彼はしばしば装置の下図をもって、客席の中央に陣取っているコポオのそばへやって来ました。僕は、たいていの場合、コポオのすぐうしろの席で、邪魔にならぬよう、コポオの演出ぶりを見学していたのですが、ジューヴェが黙って下図を差し出すと、それをしばらく黙って眺めています。時として、ジューヴェの方から、説明をつけ加えることもあります。コポオは、解ったのか、解らないのか、ずいぶん長く、どうかすると、そのまま稽古をつづけさせて、あれこれと俳優にダメを出し、返事もせずにジューヴェを待たせておくことがあります。