Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あるこうぎしょ
ある抗議書
菊池 寛
Lesen Sie ある抗議書 (あるこうぎしょ) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.272 Zeichen · 34 Bildschirme
た時、私の全身は烈しい暴風のような怒の為に、ワナワナと慄えるのを覚えました。私は刑事が手を触れてはいけないと云う言葉も忘れていきなり、姉の頸からその呪うべき紐を解かずには居られませんでした。姉のあさましい死状や、烈しい苦悶の跡を止めた死顔の事などは申上げますまい。回想するさえ私には恐ろしいのです。姉のあさましい屍体に、私は両手をかけて、号泣しようと思いました時、私はふと義兄の安否を思いました。私が目を上げて室内を見廻すと、縁側へ面する障子が開いて居る事に気が付きました。丁度六畳間に足だけを置いて、身体の大部分を縁側の上に投げ出して寝そべって居るのは、義兄に違いありません。私は、姉の屍体を捨てて義兄の方へ駈け寄りました。が、両手を後手に縛られた義兄は、姉と同じように絞殺されたと見え刮いた眼に死際の苦悶を見せながら、もう全身は冷たくなりかけて居ました。私は、その後手に縛られた両手を見ました時、腸を切り苛むような憤と共に、涙が、――腹の底から湧き出すような涙が、潸々として流れ出ました。私は、狂気のように家から飛び出すと其処に居た刑事に、「誰が殺したのです。