Japanische Klassiker mit Furigana
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あるひのれんげつに
ある日の蓮月尼
岡本 かの子
Lesen Sie ある日の蓮月尼 (あるひのれんげつに) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.878 Zeichen · 25 Bildschirme
その余りの金の仕末はどうなさるのです。
蓮月 ――(手でさえぎって)もうやめましょう。お互に働く時間を無駄に費しますからあなたも勉強盛りの年頃ではありませんか。
(蓮月また轆轤台の前に戻る。)
鉄斎 ――亀田、もうよかろう。いよいよ約束が違うぞ。
(亀田、お叩頭をしてすごすご立ち上る。鉄斎も立ち上りかけて、先刻武士が置いて行った縁先きの金包みに気が付き、手に取り上げる。)
鉄斎 ――尼さん、また金を抛り出した儘ですよ。だらしが無いな。
蓮月 ――それはさっきの客が置いて行った陶器代でしょう。
鉄斎 ――陶器代にしては重いなあ。
蓮月 ――開けて見て下さい。
鉄斎 ――や、小判だ小判だ――さっき行った客っていうのは、あの僕等が道で擦れ違った三人連れでしょう。あれなら△△の殿様とお付きの士だ。△△の殿様がお微行で陶器を買いに来てこれを置いて行ったのですよ。
蓮月 ――何しろ陶器二組に小判は多過ぎます。あなた△△の殿様のお宿を知って居ませんか。
鉄斎 ――知ってます。四条烏丸です。
蓮月 ――では十日程したらまた陶器が溜りますから、差引残りの価だけのものを持って、あなたお宿まで届けに行って下さい。