Japanische Klassiker mit Furigana
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あるひのれんげつに
ある日の蓮月尼
岡本 かの子
Lesen Sie ある日の蓮月尼 (あるひのれんげつに) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.878 Zeichen · 25 Bildschirme
教えて下さい。その世界へ行く道を。
蓮月 ――その道とはすべてのものに妨げのない道です。現世の執着の一つであるあなたの愛によって、わたくしを妨げず、そして因より備わって居るその世界の月の光を曇らせまいと心がける処に、はっきりとその道は開かれるのです。
無名の青年 ――それはあまり非人情に消極的に歩まなければならない道ではありませんか。
蓮月 ――(手を挙げて青年の言葉を押しとどめ)理屈でもって実行を妨げないこと。
(蓮月、ふと気がついて机の傍に落ちて居る短冊を拾い)
蓮月 ――これはむかし詠み捨てた歌を望む人があって書いたものですが、これをあなたに差上げますから、あなたの京から持って来られた短冊と代える事にして下さい。
(蓮月手に持った短冊を青年に与え、青年の持ちたる短冊をうけとり破り捨てる。)
無名の青年 ――ああ!
蓮月 ――わたくしは今日の生活の務めをしなくてはなりませんから、これで失礼さして下さい。あなたも早く帰って勉強をなさって下さい。
(蓮月、土間に降り轆轤台に向う。青年せん方なく立上り庭へ降り、柴折戸より去らんとして、今蓮月より与えられたる短冊を読む。