Japanische Klassiker mit Furigana
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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
Lesen Sie いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.226 Zeichen · 128 Bildschirme
それで姉さんは御婚礼のお祝に春という字の刻んである指輪を戴いたんだ。世の中は何が幸福になるか知れない。乃公も春之助と名をつけて貰うとよかった。八幡太郎も安藤太郎も乃公に何もくれやしない。太郎なんて全く割の悪い名前だ。
伯母さんは種々の事を尋く人だ。年を取って愚に返っているのだろう。大阪の伯父さんは何故腹を立てたと尋くのには弱った。何でも能くは知らないが驢馬が喇叭を井戸へ落したり、ポチが眼鏡を喰べたりしたんだと誤魔化してやった。
「姉さんは何うだえ、指輪が気に入ったようかい」
「あの、斯う言ってましたよ。どうせ伯母さんが拵えたんだから流行には後れているって。けれども石と地金は良質ですってね、ですから拵え直して貰うんですって」
「左様かい、そんな事を言うのかい。此節の娘は生意気で困る」
伯母さんは別に怒りもしなかった。大阪の伯父さんよりも余程御し易い。
「伯母さんは最早十年も岩張るんですか」
「何だえ、太郎さん」
「姉さん達が言ってましたよ。彼の分では未だ当分片付かないって、十年くらいは岩張ってるだろうって。真正に左様ですか。沢庵でも何でもぼりぼり噛むんですか、年寄の癖に?」