Japanische Klassiker mit Furigana
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うすゆきしょう
うすゆき抄
久生 十蘭
Lesen Sie うすゆき抄 (うすゆきしょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.454 Zeichen · 59 Bildschirme
と聞き返した。
「お齢のせいか、父上も諄くなられた。さよう、いま申したとおりです」
道益は、思わずというふうに手で膝を打って、
「さてもさても、我が子ながら、なんという智慧長けたやつであろう」
痛し痒しの甘辛面で感嘆の声をあげると、道長は自分のことをほめられたのかと思い、いや、それほどでもない、と得意そうに笑った。
見たところでは、道益は大満足の態で、資子には、かねて欲しがっていた花十字架の螺鈿のついた葡萄牙の香筥をやると約束し、道長には、沙金で百両、革袋に入れたまま膝の前へ投げてやり、それで馬でも買えと言い置いて川口の船屋敷へ戻ると、気のきいた上乗を十人ほど奥の座敷へ呼びこみ、さっそく大炊介討取りの謀議にとりかかった。
この十人は、才取面してとぼけているが、もとは安房の海賊の流れで、陸にいるときは諸国の動静をさぐりまわる諜者の役をし、海外へ出れば、防備の薄い海村に焼討ちをかけ、恣ままに乱暴掠奪を働くという健気なものどもであった。
潮焼けしたのや、小鬢に矢傷のあるのや、そういう逞しい顔々が並ぶと道益は、
「久しくやらなんだが、猪狩をしようと思っての」