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Japanische Klassiker mit Furigana

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うすゆきしょう

うすゆき抄

久生 十蘭

Lesen Sie うすゆき抄 (うすゆきしょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.454 Zeichen · 59 Bildschirme

Aozora Bunko

「お前はときどき途方もないことを言いだすが、そんなことを、いったい誰から聞いた」

「誰からというようなことではなかった。自然にわかりだしたとでもいいましょうか。だいいちが面相です。箱根の木賀ノ湯で、風摩小太郎とおなじ湯壺につかりましたが、あの郷士の顔がそれと瓜二つです。妹に頼まれて面甲を叩きつけに行ったときふとそう思い、気中がしてしようがなかったが、この間、いつぞやの嫌味を言いに行くと、出居の敷莚に胡坐をかいているやつがいる。誰だと思います。風摩小太郎の供をして木賀に来ていた貝津の藤吉……父上、これ以上のことがあり得ると思いますか。それで話はわかってしまった……ところで今夜のいきさつですが、妹と大炊介の交通は、なんといっても物騒でしょう。谷戸の郷士を小太郎の伜と知りつつ交情をつづけているのなら、これは放っておけますまい。こんな態で池の汀へ迷いだしたのは、その辺のところを探りだしてやろうと思ったから……まんざら馬鹿でもないでしょう」

とひょうげた顔で笑った。

「うすゆきものがたり」の筆者は、「筒先に音あって、むかうに声なきは、空鉄砲なりしにや」と婉曲に言いまわしているが、いったい誰が鉄砲から弾丸を抜いておいたか、それくらいのことが道益にわからないわけはないから、あまり機略に富んだ娘も困ったものだと、さぞや味気