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Japanische Klassiker mit Furigana

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おぎん

おぎん

芥川 竜之介

Lesen Sie おぎん von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.235 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

それから右にじょあんなおすみ、中央にじょあん孫七、左にまりやおぎんと云う順に、刑場のまん中へ押し立てられた。おすみは連日の責苦のため、急に年をとったように見える。孫七も髭の伸びた頬には、ほとんど血の気が通っていない。おぎんも――おぎんは二人に比べると、まだしもふだんと変らなかった。が、彼等は三人とも、堆い薪を踏まえたまま、同じように静かな顔をしている。

刑場のまわりにはずっと前から、大勢の見物が取り巻いている。そのまた見物の向うの空には、墓原の松が五六本、天蓋のように枝を張っている。

一切の準備の終った時、役人の一人は物々しげに、三人の前へ進みよると、天主のおん教を捨てるか捨てぬか、しばらく猶予を与えるから、もう一度よく考えて見ろ、もしおん教を捨てると云えば、直にも縄目は赦してやると云った。しかし彼等は答えない。皆遠い空を見守ったまま、口もとには微笑さえ湛えている。

役人は勿論見物すら、この数分の間くらいひっそりとなったためしはない。無数の眼はじっと瞬きもせず、三人の顔に注がれている。が、これは傷しさの余り、誰も息を呑んだのではない。見物はたいてい火のかかるのを、今か今かと待っていたのである。