Japanische Klassiker mit Furigana
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おけらになったはなし
おけらになった話
小川 未明
Lesen Sie おけらになった話 (おけらになったはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.798 Zeichen · 8 Bildschirme
「こんどは、ゆだんをして、この男を逃がすようなことがあってはならないぞ。」と、番人は、目上の役人から注意をされました。
番人は、またと、そんなような手落ちがあっては、自分の生活に関係すると、不安に感じましたから、日夜怠りなく、この男を注意したのであります。
「こんどは、あの男も、逃げ出してくるようなことがあるまいから、まあ安心していてもさしつかえない。」と、彼を知って、迷惑を受けたことのある人たちは話をしていました。
ちょうど、このとき、男は、牢屋の中で、このまえのように大胆にも、赤い舌を出して、
「おれを知らないのか。いまに見ろ、魔法を使って、この牢屋から逃げ出してやるから。」といっていました。
その男は、まったく人間とも思われなかった早業の名人で、また、さるのように、すばしこく木の上へ登ることもできれば、また風のように、すこしのすきまがあれば、そこからはい出すことができたのであります。
あるあらしの晩に、この男は、ふたたび牢屋から、姿を消してしまいました。牢屋の扉にかかっている錠もそのままであれば、なにひとつあたりに、かわったこともなかったのに、男ばかりは、いなくなったのであります。