Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おさん

おさん

太宰 治

Lesen Sie おさん von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.343 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

本当にその日は、お盆の十三日でした。よその女の子は、綺麗な着物を着て、そのお家の門口に出て、お得意そうに長い袂をひらひらさせて遊んでいるのに、うちの子供たちは、いい着物を戦争中に皆焼いてしまったので、お盆でも、ふだんの日と変らず粗末な洋服を着ているのです。

「そう? 早く帰って来るかしら。」

「さあ、どうでしょうね。マサ子が、おとなしくしていたら、早くお帰りになるかも知れないわ。」

とは言ったが、しかし、あのご様子では、今夜も外泊にきまっています。

マサ子はお勝手にあがって、それから三畳間へ行き、三畳間の窓縁に淋しそうに腰かけて外を眺め、

「お母さま、マサ子のお豆に花が咲いているわ。」

と呟くのを聞いて、いじらしさに、つい涙ぐみ、

「どれどれ、あら、ほんとう。いまに、お豆がたくさん生るわよ。」

玄関のわきに、十坪くらいの畑地があって、以前は私がそこへいろいろ野菜を植えていたのだけれども、子供が三人になって、とても畑のほうにまで手がまわらず、また夫も、昔は私の畑仕事にときどき手伝って下さったものなのに、ちか頃はてんで、うちの事にかまわず、お隣りの畑などは旦那さまがきれいに手入れなさって、さまざまのお野菜がたくさん見事に出来ていて、うちの畑はそれに較べるとはかなく恥かしくただ雑草ばかり生えしげって、マサ子が配給のお