Japanische Klassiker mit Furigana
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おしゃれどうじ
おしゃれ童子
Lesen Sie おしゃれ童子 (おしゃれどうじ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.978 Zeichen · 12 Bildschirme
凍え死すとも、厚ぼったい毛糸の類は用いぬ覚悟の様でした。けれども、この外套は、友だちに笑われました。大きい襟を指さして、よだれかけみたいだね、失敗だね、大黒様みたいだね、と言って大笑いした友人がひとりあったのでした。また、やあ君か、おまわりさんかと思った、と他意なく驚く友人もありました。北方の海軍士官は、情無く思いました。やがて、その外套を止しました。さらに一枚、造りました。こんどは、黒のラシャ地を敬遠して、コバルト色のセル地を選び、それでもって再び海軍士官の外套を試みました。乾坤一擲の意気でありました。襟は、ぐっと小さく、全体を更に細めに華奢に、胴のくびれは痛いほど、きゅっと締めて、その外套を着るときには、少年はひそかにシャツを一枚脱がなければならなかったのでした。この外套に対しては、誰もなんとも言いませんでした。友人たちも笑わず、ただ、へんに真面目なよそよそしい顔になって、そうしてすぐ顔をそむけました。少年も、その輝くほどの外套を着ながら、流石に孤独寂寥の感に堪えかね、泣きべそかいてしまいました。お洒落ではあっても、心は弱い少年だったのです。