Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おせん
おせん
邦枝 完二
Lesen Sie おせん von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.074 Zeichen · 148 Bildschirme
「なんだって」
「若旦那。あっしゃァなる程、おせんの相手が、どこの誰だか知っちゃいませんが、そんなこたァ知ろうと思や、半日とかからねえでも、ちゃァんと突きとめてめえりやす。それよりも若旦那。もっとお前さんにゃ、大事なことがありゃァしませんかい」
「そりゃ何んだい」
「まァようがす。とっとと消えて失せろッてんなら、あんまり畳のあったまらねえうちに、いい加減で引揚げやしょう。――どうもお邪間いたしやした」
「お待ち」
「何か御用で」
「あたしの大事なことだという、それを聞かせてもらいましょう」
が、松五郎はわざと頬をふくらまして、鼻の穴を天井へ向けた。
帯
一
祇園守の定紋を、鶯茶に染め抜いた三尺の暖簾から、ちらりと見える四畳半。床の間にした秋海棠が、伊満里の花瓶に影を映した姿もなまめかしく、行燈の焔が香のように立昇って、部屋の中程に立てた鏡台に、鬘下地の人影がおぼろであった。
所は石町の鐘撞堂新道。白紙の上に、ぽつんと一点、桃色の絵の具を垂らしたように、芝居の衣装をそのまま付けて、すっきりたたずんだ中村松江の頬は、火桶のほてりに上気したのであろう。たべ酔ってでもいるかと思われるまでに赤かった。