Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おせん

おせん

邦枝 完二

Lesen Sie おせん von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.074 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

出来ないとまでいった挙句、いや応なしに持って行かれてしまったものだ。おせんにゃもとより、内所で貸して渡した品物、今更急に返す程なら、あれまでにして、持って行きはしなかろう。お上さん。お前、つまらない料簡は、出さないほうがいいぜ」

「そんならなんぞ、わたしがひとりの料簡で。……」

「そうだ。これがおせんの帯でなかったら、まさかお前さんは、この夜道を、わざわざここまで返しにゃ来なさるまい。太夫が締めて踊ったとて、おせんの色香が移るという訳じゃァなし、芸人のつれあいが、そんな狭い考えじゃ、所詮うだつは揚がらないというものだ。余計なお接介のようだが、今頃太夫は、帯の行方を探しているだろう。お前さんの来たこたァ、どこまでも内所にしておこうから、このままもう一度、持って帰ってやるがいい」

「ほほほ、お師匠さん」

おこのは冷たく額で笑った。

「え」

「折角の御親切でおますが、いったんお返ししょうと、持って参じましたこの帯、また拝借させて頂くとしましても、今夜はお返し申します」

「ではどうしても、置いて行こうといいなさるんだの」

「はい」

「そうかい。それ程までにいうんなら、仕方がない、預かろう。