Japanische Klassiker mit Furigana
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おもしろいはなし
おもしろい話
畔柳 二美
Lesen Sie おもしろい話 (おもしろいはなし) von 畔柳 二美 (くろやなぎふみ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.763 Zeichen · 6 Bildschirme
「それも程度問題だ。あんまり緊張すると、話ができなくなってしまうときがあるものだ。父さんの国では、他の場所へいったとき、みな、この『こ』に全神経を使うために、笑い話まであるほどなのだ。ある人が東京へいって、ぜったいに『こ』を使わずに話をした所、たいへん調子よくいったので、勢いに乗じて街へ一人で買いものにでかけたのだ。ところが、そのうちにたばこが吸いたくなったのでその人はたばこ屋の前で立ちどまった。
『たば、をくれ』
たばこやさんは、おどろいて、その人をじろじろみまわしながら頭をさげたそうだ。
『あいにく、そのお品は、ただいま品切れ中でございます』
すると、その人は、すっかりふんがいしてしまって、大声で云った。
『この、じっこは、何というじっこだ。そこの娘っこのそばの棚っこの上に、バットも、朝日も、敷島も、山っこほど、たばがあるでないか。俺を田舎っぺだと思ってあなどっても、俺のまなこは、こんなにでっかい目っこだわ』
これは、笑い話だけれど、父さんには、その人の困ったり怒ったりする様子がよくわかるのだ」
父は、そして、アハハと笑った。
その話をきいてからは、私は子供ながらにも、人が、緊張したときの話ぶりに気をつけるようになった。