Japanische Klassiker mit Furigana
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おるすばん
おるすばん
壺井 栄
Lesen Sie おるすばん von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 6.306 Zeichen · 13 Bildschirme
おじいさんは白髪の頭を後になでながら、はっはっはと笑い、
「それじゃいうでなかった、あの時、お前のお母さんにひどく叱られてのう、あとにも先にも、お前のお母さんが怒ったのは、あの時だけじゃった。もしものことがあったら、どうしてくれますか、いうてのう。そのはずじゃ、かけがえのないひとり子じゃもの、それからはカ子も海を恐がって、その年の夏は泳ぎにゆかないんだよ。」
和子はその時のようすを想像してみましたがおじいさんのきょうしゅくした顔は考えられても、お母さんが怒った顔は思い浮かびませんでした。それほどやさしいお母さんでした。和子のお父さんが船乗りであるために、年中和子の家はおじいさんともに三人であり、しかもお母さんは学校へ出ていましたので、昼間は二人だけでお留守番をすることに、和子は小さい時からならされていました。おじいさんは、和子のために竹トンボを作ったり、新聞紙でかぶとをこしらえたり、木ぎれで小舟をつくったりいろんなおもちゃをじょうずにこしらえてくれました。
「これではまるで男の子を育ててるようね、今に竹馬でもお作りになるのでしょう。」
と、お母さんはおかしがりました。