Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おくみさんとそのしゅうい

お久美さんと其の周囲

宮本 百合子

Lesen Sie お久美さんと其の周囲 (おくみさんとそのしゅうい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.369 Zeichen · 149 Bildschirme

Aozora Bunko

※(「くさかんむり/惠」、第3水準1-91-24)子の目の前には割合に気持の好い自分の家の食堂だの書斎だのの色が一寸閃いて消えた。

※(「くさかんむり/惠」、第3水準1-91-24)子には掛り合わずにさっさと皆の中に入って行った祖母は急に※(「くさかんむり/惠」、第3水準1-91-24)子を見失ったのを驚いた様に、

「おや、※(「くさかんむり/惠」、第3水準1-91-24)子はどこへ行きましたろう。

と黒い中をすかし込むので出場を失った気味で居た※(「くさかんむり/惠」、第3水準1-91-24)子は漸う次穂を得た様に出て行って、

「今晩は。

と御辞儀をした。

祖母丈だと思って居たらしいお関は年に合わない肝高な浮々した声を出して、

「まあ何だろう、※(「くさかんむり/惠」、第3水準1-91-24)子さんも居らしったんですか。

そんな所に居らっしゃるんだもの、一寸も分りませんでしたよ。

さ此方へいらっしゃい。

ほんとにまあよく居らしったのね。

いつ東京からお出でなすったんです。

と立てつづけに喋り出した。

※(「くさかんむり/惠」、第3水準1-91-24)子は薄笑いをしたまんま縁側に腰をかけて背を丸めて煙草を吸いつけている祖母の傍に座った。