Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おとうさん

お父さん

林 芙美子

Lesen Sie お父さん (おとうさん) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.548 Zeichen · 76 Bildschirme

Aozora Bunko

終戦前までは、犬なんかあまりいなかったのに、このごろとても野犬が多くなりました。首輪のない犬が、いままでどうしてくらしていたのだろうと思うくらい、大きいのや小さいのと、五六匹も走りまわっておもしろそうにふざけあっています。その中で、ポインタア種の、栗色をしたとてもすごいのがいて、子供たちはみんなこれをチョコといってこわがっていました。

とても人なつっこいのですけれど、何となくこわいのです。もうおじいさんで、前は、本庄さんという家にいたのですけれど、そこの人が田舎へいってしまって、ほかの人が来たので、そのチョコは、一人ぼっちになったのです。

僕の組はたいていみんな長野へ疎開して行ったのに、僕だけは、この本庄さんのチョコと東京へのこっていて、あのこわかった空襲をよく知っています。

チョコは、僕になついているのですけれど、畑を歩きまはるのでにくらしくて仕方がありません。チョコは誰もかっている人はありません。それなのに、よくふとって生きています。このごろは、どこから来たのか、小さいのや大きい犬を三四匹もひきつれて、ふざけちらして走っています。

「犬って東京だけにいるのかねえ?」