Japanische Klassiker mit Furigana
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おとうさん
お父さん
林 芙美子
Lesen Sie お父さん (おとうさん) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.548 Zeichen · 76 Bildschirme
荘吾というのは、僕のおとうさんの名前です。おとうさんは「そうですね」といって、もう「会社員なんかいやになったから、田舎へ引っこんで百姓でもしようかと思ってますがね」といいました。
「だって、しろうとがすぐ百姓になれるかしら、第一、土地だってないでしょうしね。田舎もいまはおじいさんもなくなられたし、どうにもしかたがないことよ」
おばさんは、僕たちにいもをむしてくれました。
僕は、おとうさんの心ぼそい顔をはじめてみました。おとうさんは、沈んだようにみえました。僕は、何となくさみしくなったので、要さんに、
「いもって英語でなんていうの?」
とききました。
「ポテトさ」
とおしえてくれました。
「ぢやア、家は」
「家はハウスさ」
「ぢやア」
「ずいぶんきくんだなア」
要さんが笑い出しました。年子ねえさんがラジオをかけました。とてもうきうきするような音楽です。
「全く、世の中が変りましたね」
おとうさんがそういいました。
「ほんとうに。でも、気持だけでもこのほうがたのしいぢやアありませんか、もうめんどうくさい話ってあきあきしていますよ。馬鹿な戦争をよくも長くつづけたものですよ」