Japanische Klassiker mit Furigana
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かざぐるま
かざぐるま
小川 未明
Lesen Sie かざぐるま von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N4. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N4 · Einstieg · moderne Kanji und Kana · 1.089 Zeichen · 3 Bildschirme
「おかあさん、映画を、見にいっていらっしゃい、お正月だもの。」と、前へ差し出したのでした。
そのよごれた手を見るうち、ふと幼いころ、おまえの手はだれに似て、まるくて、かわいらしいのだろうと、よくいったことが、記憶にうかんだのです。そしてその手がいま私たちの暮らしを立てていると思うと、泣かずにいられませんでした。
「いまごろ、むすこは工場で、はたらいているだろう。」と、遠くの煙突から、白い煙の上るのを見て、かの女は思いました。
「このごろ、ご主人は、どうなの。」と、わかい女に聞きました。
赤ちゃんの父親は、病気でねていました。
あくる日、年とったほうの女は、デパートの、かざられた衣裳の前に立っていました。そこには、三万円の札のついた帯地、また二万円の札のさがった晴れ着が、かかっていました。
「だれが、これを買うのだろうか。私も、となりの若い女も、一生身につけることはないだろう。」
そう思うと、なんとなく、さびしい気がして、かの女は、おもちゃのある売り場へいそいだのでした。そして、そこで、むすこが映画を見ろといってくれた金で、となりの赤ちゃんがよろこびそうな、赤いかざぐるまを買いました。