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Japanische Klassiker mit Furigana

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かんかんむし

かんかん虫

有島 武郎

Lesen Sie かんかん虫 (かんかんむし) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.483 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

其の神様ってえのが人間を創って魂を入れたとある。魂があって見れば善と悪とは……何んとか云った、善と悪とは……何んとかだとよ。そうして見ると善はするがいいし、悪はしちゃなら無え。それが出来なけりゃ、此の娑婆に生れて来て居ても、人間じゃ無えと云うんだ。

お前っちは字を読むからには判るだろう。人間で善をして居る奴があるかい。馬鹿野郎、ばちあたり。旨い汁を嘗めっこをして居やがって、食い余しを取っとき物の様に、お次ぎへお次ぎへと廻して居りゃ、それで人間かい。畢竟芝居上手が人間で、己れっち見たいな不器用者は虫なんだ。

見ねえ、死って仕舞やがった。

何処からか枯れた小枝が漂って、自分等の足許に来たのをヤコフ・イリイッチは話しながら、私は聞きながら共に眺めて、其の上に居る一匹の甲虫に眼をつけて居たのであったが、舷に当る波が折れ返る調子に、くるりとさらったので、彼が云う様に憐れな甲虫は水に陥って、油をかけた緑玉の様な雙の翊を無上に振い動かしながら、絶大な海の力に対して、余り悲惨な抵抗を試みて居るのであった。

私は依然波の間に点を為して見ゆる其の甲虫を、悲惨な思いをして眺めている。