Japanische Klassiker mit Furigana
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きりぎりす
きりぎりす
Lesen Sie きりぎりす von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.186 Zeichen · 74 Bildschirme
先生は、実に単純な事ばかり、ちっともこだわらずに、おっしゃいます。私を見て、おう、いい奥さんだ、お武家そだちらしいぞ、と冗談をおっしゃったら、あなたは真面目に、はあ、これの母が士族でして、などといかにも誇らしげに申しますので、私は冷汗を流しました。母が、なんで士族なものですか。父も、母も、ねっからの平民でございます。そのうちに、あなたは、人におだてられて、これの母は華族でして、等とおっしゃるようになるのではないでしょうか。そら恐しい事でございます。先生ほどのおかたでも、あなたの全部のいんちきを見破る事が出来ないとは、不思議であります。世の中は、みんな、そんなものなのでしょうか。先生は、あなたの此の頃のお仕事を、さぞ苦しいだろうと言って、しきりに労っておいでになりましたが、私は、あなたの毎朝の、おいとこそうだよ、という歌を歌っておいでになるお姿を思い出し、何がなんだか判らなくなり、しきりに可笑しく、噴き出しそうにさえなりました。先生のお家から出て、一町も歩かないうちに、あなたは砂利を蹴って、ちえっ! 女には、甘くていやがら、とおっしゃいましたので、私はびっくり致しました。