Japanische Klassiker mit Furigana
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きりぎりす
きりぎりす
Lesen Sie きりぎりす von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.186 Zeichen · 74 Bildschirme
私は、ちゃんと、それを知っていますから、こうして縁側の明るみに出されて、恥ずかしいはだかの姿を、西に向け東に向け、さんざ、いじくり廻されても、かえって神様に祈るような静かな落ちついた気持になり、どんなに安心のことか。私は、立ったまま軽く眼をつぶっていて、こうして死ぬまで、眼を開きたくない気持でございました。
「わからねえなあ。ジンマシンなら、痒い筈だが。まさか、ハシカじゃなかろう。」
私は、あわれに笑いました。着物を着直しながら、
「糠に、かぶれたのじゃないかしら。私、銭湯へ行くたんびに、胸や頸を、とてもきつく、きゅっきゅっこすったから。」
それかも知れない。それだろう、ということになり、あの人は薬屋に行き、チュウブにはいった白いべとべとした薬を買って来て、それを、だまって私のからだに、指で、すり込むようにして塗ってくれました。すっと、からだが涼しく、少し気持も軽くなり、
「うつらないものかしら。」
「気にしちゃいけねえ。」
そうは、おっしゃるけれども、あの人の悲しい気持が、それは、私を悲しがってくれる気持にちがいないのだけれど、その気持が、あの人の指先から、私の腐った胸に、つらく響いて、ああ早くなおりたいと、しんから思いました。