Japanische Klassiker mit Furigana
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きりぎりす
きりぎりす
Lesen Sie きりぎりす von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.186 Zeichen · 74 Bildschirme
という芝居の舞台面を、ふいと思い出しました。外は深緑で、あんなに、まばゆいほど明るかったのに、ここは、どうしたのか、陽の光が在っても薄暗く、ひやと冷い湿気があって、酸いにおいが、ぷんと鼻をついて、盲人どもが、うなだれて、うようよいる。盲人ではないけれども、どこか、片輪の感じで、老爺老婆の多いのには驚きました。私は、入口にちかい、ベンチの端に腰をおろして、死んだように、うなだれ、眼をつぶりました。ふと、この大勢の患者の中で、私が一ばん重い皮膚病なのかも知れない、ということに気がつき、びっくりして眼をひらき、顔をあげて、患者ひとりひとりを盗み見いたしましたが、やはり、私ほど、あらわに吹出物している人は、ひとりもございませんでした。皮膚科と、もうひとつ、とても平気で言えないような、いやな名前の病気と、そのふたつの専門医だったことを、私は病院の玄関の看板で、はじめて知ったのですが、それでは、あそこに腰かけている若い綺麗な映画俳優みたいな男のひと、どこにも吹出物など無い様子だし、皮膚科ではなく、そのもうひとつのほうの病気なのかも知れない、と思えば、もう皆、この待合室に、うなだれて腰かけている亡者たち皆、そのほうの病気のような気がして来て、