Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
まず冬分は空っ風が病件を吹き寄せて呉れるといった形ですよ」
と村田さんが説明した。
「成程、面白い影響があるもんですな。あなたは元来此処ですか?」
とお父さんが訊くと、村田さんは、
「否、違います。しかし私がこの遠州浜松で眼科を開業しているには立志伝中の物語があるんです。雨もまだ止まないようですから、坊ちゃんの御参考までに申上げましょうかね? 私の父は君公の御馬前で討死をするのを理想と心得ていた律義もの、『忠臣の亀鑑とは唐土の予譲」という文句を聞く度に私は父の顔を思い浮べます。三代相恩の旧藩主の為めに命を捨てる機会のなかったのを残念と感じ、せめて息子をお役に立てたいと言って、私に医学を勧めました。私が又孝子の亀鑑と来ているでしょう。それで……」
「何うだかね」
「まあ、黙っていたまえ。当時旧藩主が不治の蓄膿症に罹っていられたので、私は早速鼻科の研究に独逸へ参りました。一年半ばかり耳鼻咽喉科を専門に修めていますと、『眼科へ転ぜよ、委細書面』という電報が父から届きました。直様転科の手続を済ませて待っていますと、父の書面が着きました。『お殿様御事年来御放蕩の結果お鼻御落滅。