Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
と老人は額に掛けていた眼鏡を鼻の先へ下してお父さんの名刺を見ながら言った。
「村岡君、大分鼻の下が伸びているぜ」
と団さんが冷かした。
「田鶴子さん、早く写真機をお出しなさい」
と三輪さんまで諢った。
「四十何年か前に私を抜け詣りに誘ったのが木本君ですよ。今しがたもその頃のことを考えていたところです。何しろまだ汽車が横浜までしかなかった時分でしたから随分困難しました。しかし伊勢詣りは能く/\深い御縁ですなあ。こう頭の禿げた今日又こゝで昔一緒に逃げてきた木本君の御長女のお婿さんと道連れになるのですもの」
と老人は感慨無量という体であった。
「木本の親父もそんな時代があったんですか? 人を誘い出したりしてナカ/\悪友でしたね?」
とお父さんは嬉しそうに言った。
「否、何方が悪友だか分りませんよ。約束は前以てしてあったのですからね。何方か路銀を盗み出し次第という手筈になっていたので、木本君が親父さんの留守か何かで成功して私を誘ったのでしたよ」
と老人が説明した時、僕達は再び大きな川へ差しかゝった。
「あの折は何でもこの川を舟で下りて桑名へ着きましたよ。然う/\、津島から乗り込んだのです。