Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

この辺では何といってもこの木津川と吉野川ですな。吉野川では一尺からのが釣れます」

と甲は又鮎の問題に立ち帰った。

「そんな大きなのがありますかな?」

「ありますとも。去年私は一尺からのを四五十尾釣りました」

「あんたは大漁のお話をよくなさるが、現物を私のところへ御覧に入れたことは根っからありませんな」

「何うも恐れ入ります。今度は必ず御覧に入れましょう」

「否、冗談ですよ」

と乙は制するように言って、

「一体餌は何ですか?」

「鮎の餌をお訊ねになるようでは心細いですな。鮎は蚊鉤というので釣ります。毛で拵えた蚊の形の中に鉤が仕込んであります」

「成程、二重の詐欺ですな」

「然うです。しかし普通の詐欺では先様が承知しないから仕方ありません。蚊鉤の数が三百種からあるほど鮎は気むずかしいものです」

「三百種? 一々形でも違うのですか?」

「形は大同小異ですが、毛の色合が一つ/\違います。この三百余種類から天気の模様や水流の具合に鑑みて一番鮎の御機嫌に叶いそうなのを撰り当てるか否かゞ上手と下手の分れるところです。鉤が合えばパクリときます。するとピリ/\ッという震動が糸から竿に伝って脳天まで達します。