Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
面当てですわね」
「采女って誰?」
と田鶴子さんが訊くと、
「昔の美人よ。君寵が薄らいだので世を果敢なんだのですって」
「まあ、可哀そうに! 愛情問題の犠牲ですね?」
「然うよ。それに身分が高い上に評判の美人でしたから、今なら好い新聞記事ですわ。きっと器量を鼻にかけた我儘な女でしたろうよ。その証拠には後からあのお宮に祀ったのですが、池を見るのが厭だと言って勝手にぐるりと向きを変えてしまったのですって」
と清瀬さんが説明した。成程采女の社というのは鳥居だけが池に面して御本尊はツンと外方を向いている。
奈良には鹿がいると聞いて来たが、実に沢山いる。最初は珍らしくて鹿煎餅を振舞ってやったけれど、斯う到るところで鉢合せをしては応接に遑がない。
「あなた方は鹿に紅葉の来歴を御存知?」
と清瀬さんが花の松のところで訊いた。
「否」
と田鶴子さんが僕の分まで答えてくれた。
「それなら石こづめの遺跡を見て参りましょう」
と清瀬さんは僕達を十三鐘へ案内して行った。
「昔、十三になる興福寺のお小僧さんが春日様の鹿を殺して、鹿の死骸と一緒に此処で石こづめにされたのですとさ」
「石こづめって、何うするんです?」