Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
「何だろうね? 実際。盗難品でも出たのかな」
とお父さんが考え込んだ。
「最近泥棒に入られたこともなし、入ったことは無論なし、物を拾ったこともなし、落したこともなしと……全く良民だから一向見当がつかない」
と小川さん自らも持て余していた。
「何時までもそんなことを仰有っていらっしゃるより、直ぐお出になって何をなすったのか伺って見る方が早うございますわ」
と奥さんが又促した。
「警察へ自分の操行点を問合せに出頭するのかい? 坊ちゃんが笑っている。妙なことになって来た。これは些っと天王寺行だね」
「天王寺行って何だね?」
「天王寺に狂人病院があるのさ」
「ふうむ、東京なら松沢行だね。然う/\、京都は岩倉行だった。大阪は天王寺行か。こいつは面白い」
とお父さんは早速手帳を出して認めた。狂人には余程興味を持っているらしい。
「何が面白いもんかね。稀に遊びに来て僕が警察へ呼ばれたことなんか材料に使っちゃ困るよ」
と小川さんは間もなく用件を果しに出掛けた。
その後で奥さんは、
「有難うございます。電気治療や何やらで昨今は殆んど健康体に戻りました」
とお父さんのお見舞の言葉に答えて、