Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
「余り速いので何が何だか分らなかった。矢張り下りて見ないと駄目だよ」
と三輪さんは稍不平だった。
「それじゃもう一遍行こうか? 見物の程度が判然しないものだから悪かったね」
と渡辺さんが気の毒がった。
「結構だよ」
とお父さんが言った。
「未だ裏の方に相応見るものがあったんだよ。そら、坊ちゃんもお嬢さんも御覧なさい。あの山の上のは海星学校といって東京の暁星と同じような西洋人の学校です。あの辺から海岸までが一帯に居留地です」
と渡辺さんは説明の足し前をして呉れた。
大波止では三輪さんの註文通り下りて見た。
「船は此処から出ます。上海まで三十六時間釜山まで十時間です」
と団さんは渡辺さんの口真似をした。
「あの円い大砲の玉は何のお呪禁だね?」
とお父さんは自動車が動き出してから訊いた。
「あれが『玉はあれども大砲なし』という長崎七不思議の一つさ」
と渡辺さんが答えた。
「七不思議ってのは何だね?」
「さあ、然う手帳を出されると責任観念が頭を擡げて来て困るが、此処の名所の歌だよ。斯ういうのさ。『長崎の七不思議、寺もないのに大徳寺、平地なところを丸山と、古いお宮を若宮と、北にあるのを西山と、桜もないのに桜馬場、玉はあれども大砲なし、しゃんと立ったる松の木を、下り松とは、これで七不思議』