Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
けしのはたけ
けしの圃
小川 未明
Lesen Sie けしの圃 (けしのはたけ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 5.337 Zeichen · 11 Bildschirme
「おまえには、母親なんかないのだ。」と、父親は答えました。
「そんなら、私のお母さんは、死んでしまったの?」
「うるさいってことよ。ああ、そうだ。死んだんだよ。」と、父親はどなりました。
子供は、付き場がなく、小さな胸をわななかせて黙ってしまうのでありました。
村や、町を歩きまわって、たくさんお金をもらってきたときは、父親は機嫌がようございましたけれど、もし、少なかったときは、口先をとがらして、
「やい、この盲目め、これんばかり働いてきてどうするんだ。ここらあたりへ捨てていってしまうぞ。」とどなりました。そして、小太郎の差し出した手から、お金をひったくるように奪い取るのでありました。
小太郎は、すが目でありました。自分にもあまり覚えのない時分に、どうして片方の目をつぶしてしまったのかわかりません。
あるとき、こんなことがありました。それはなんでも北の方で、青い海の見える町でありました。町といっても家数の少ない小さなさびしい町で、魚問屋や、呉服屋や、荒物屋や、いろんな商店がありましたが、いちばん魚問屋が多くあって、町全体が魚臭い空気に包まれていました。その町の木賃宿に泊まったときに、父親は、子供を、知らぬ男と女の前に出して、なにかいっていました。