Japanische Klassiker mit Furigana
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けしのはたけ
けしの圃
小川 未明
Lesen Sie けしの圃 (けしのはたけ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 5.337 Zeichen · 11 Bildschirme
また、小太郎は、女の人がいった言葉を思い出しました。
「いくら、なんぼでも……。」と、女の人はいったが、なんぼとは、どういう意味のことだろうと考えました。小太郎には、女の人のいったことが心にはっきりわからなかったのであります。
「お父さん、さっきの女の人は、どこの人なの?」と、小太郎は父親に聞きました。
「西国のものらしいが、俺は知らねえ。」と、父親は答えました。
その後、父親は小太郎の入れ目を取り出して捨ててしまいました。いままでかわいらしい、美しかった少年の顔は、急に醜いものとなってしまいました。けれど、その方がかえって、見る人々からかわいそうだといわれて、お金をたくさんもらえることと父親は思ったのです。
ある日の暮れ方、二人は町に入りました。この町はいままで見たほかのどの町よりも、なんとなく気持ちのいい町でありました。ちょうど幾台となしに、馬が荷車を引いて、ガラガラと町の中を通ってあちらへいくのを見ました。
一軒の酒屋の前へきかかりますと、父親は小太郎に向かって、
「おまえは向こうの角に待っていれ。」といいました。父親は酒が好きで、よくこうして、待たされたことがありますので、小太郎はうなずいて、町の角に立って、馬の通るのをながめていました。