Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
『このはてにきみあるごとく』のせんごに
『この果てに君ある如く』の選後に
宮本 百合子
Lesen Sie 『この果てに君ある如く』の選後に (『このはてにきみあるごとく』のせんごに) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.772 Zeichen · 4 Bildschirme
手記をかいている少数の人々の生活でさえそうなのだから、その日その日を、どうかして生きつなごうという、もがきで疲れ果てている二十八万余人の人々の姿と心もちは、思いやられるのである。
生別、死別ということは、社会主義の世の中になっても人間の生活にはつきまとっているだろう。苦痛と悲しみのモメントとしてあるだろう。けれども、このたび応募されている手記のように、戦争によって夫や父を殺された妻、母の苦しみは、人間生活におこる一般的な生別、死別の問題とは、本質からちがっている。戦争によって人生の道づれを殺された人々は、ほんとは戦争にその人たちを狩りたてた自分の国の権力そのものによって殺された人たちである。敵にころされた、というその敵の本体は、年々歳々の税によって養って来た厖大な軍事的政府の権力なのだった。
戦争によって配偶を失った女の人たち、その家族を失った子供たちのために、「救済」という形が考えられているうちは、たとえそれが部分的にかなりゆきとどいた方式でされようとも、世界人類の頭上を不吉なはげたかのように舞っている不幸の本質がとりのぞかれることにはならない。