Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こんにゃくうり

こんにゃく売り

徳永 直

Lesen Sie こんにゃく売り (こんにゃくうり) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.408 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうもすみません」

お辞儀しながら、私は犬の方を見た。しかし犬はもうけろりとして、女中さんの足許に脚をなげだして、ものうさそうにそっぽむいているのであった。

「犬が怖かったもんですから」

そういうと、女中さんが、

「お前が逃げるからだよ、逃げなきゃ跳びつきなんかしやしない、ねえクマ、そうでしょ」

犬の頭を撫でながら、そう言ったので、いつかこれも騒ぎをききつけて、庭の方から廻ってきていた四五人の子供たちのうちからクスクスわらう声がきこえた。男の子も女の子もいるようだったが、私はますますはずかしくなって顔をあげられない。

「三本、五本と、ああ、これも折れてる――」

奥さんは菜園のなかを、こごんで折れてしまった茄子をかぞえてあるきながら、

「ほんとに九本も、折っちまったじゃないか、折角旦那様が丹精なすってるのに」

「……………」

私は何度も「すみません」とお辞儀したが、それより他に言葉もめっからないので、しまいには黙って頭を低げていた。泣きだしたくなるのを我慢して。

「すむもすまんもありゃしないよ。こんにゃくなんか要らないんだから、さっさとおかえり……」

私は着物についた泥土をはらって、もう一度お辞儀した。