Japanische Klassiker mit Furigana
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さるすべり
さるすべり
山本 周五郎
Lesen Sie さるすべり von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.095 Zeichen · 24 Bildschirme
「およそ二千ほどでございましたろうか」
「なぜ使をよこさなかった、いつでも援軍を出すと申してあったではないか、其許のひとがらなれば、よもこんな強情いくさはしまいと思って推挙したのだ、それがこのありさまとは、……このありさまとは」
「お言葉ではございますが」治部介はしずかに云った、「こなたさまの御意はよくわかっておりました。しかし援軍を頂いてはならなかったのです、初めからそのつもりはございませんでした」
「初めからとは、それはどういうわけだ」
「小山から密使のみえましたとき」と治部介はそのときを回想するように、「わたくしは衝立屏風のかげにいて、ごしゅくんとお使者との密談をはからずも耳にいたしました。そのとき小山の軍令は、白石城を退去して伊達軍を安全の位置にさげ、上杉を会津へくぎづけにせよとのことでございました」
「それはわかっている、それだからどうした」
「もしもわたくしが援軍を求め、白石を挾んで合戦となりましたら、小山の軍令に反くことになりは致しませんか、白石を撤退せよという軍令は、わが軍と上杉とを戦わせたくないためです、合戦は運のもので万一にも敗れる場合があるかもわかりません、その万一のないように撤退ときめられたのです、わたくしはただ全士討死の覚悟でございました」