Japanische Klassiker mit Furigana
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ざんげのとう
ざんげの塔
夢野 久作
Lesen Sie ざんげの塔 (ざんげのとう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.254 Zeichen · 5 Bildschirme
眼のまわるほど料金を取られた。
するとそれから二週間位に、鎖と磁石つきの金時計が一個、おやじの名前で送って来た。手紙か何か来るかしらんと待っていたが、何も来ない。
その後上京して様子をきいて見たら、警察問題は嘘で、又おやじに一パイ喰わされていたことがわかった。金時計をタタキ返して遣ろうかと思ったが、考え直して止した。
明治四十一年のこと、九段竹橋の近衛歩兵第一連隊第四中隊(特に明記して置く)に一年志願兵としているうちに、或る晩の事、私の私物筥に風呂敷に包んだ餅が隠してあるのが発見された。その風呂敷に班付伍長勤務上等兵の名前が入っていたので、たちまち班内の大問題になって、私の左右に寝ている上等兵候補者が四人ほど嫌疑者として目指されて、私と一緒に毎晩厳重なしらべを受けた。旧式折敷の構え、執銃立射の構え、寝台抱え……なぞ、数十分乃至数時間にわたる拷問の恐ろしさは経験のある人でなければ説明しにくい。
毎晩点呼後の班内は悽愴の気に満ちた。けれども五人は無言の忍苦を続けた。苛責は次から次へと重くされて行った。
四晩目に私は泣いて白状した。
餅を入れたのは私である。