Japanische Klassiker mit Furigana
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しらかばのき
しらかばの木
小川 未明
Lesen Sie しらかばの木 (しらかばのき) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.878 Zeichen · 6 Bildschirme
いままで勇敢に戦っていた戦友が、ばたり、ばたりと前後にたおれていきました。それにつらかったのは、たまのつきかかったことでした。さいごには突撃するのであるが、そのときまで、残りのたまをもっとも有効に使わなければならなかった。秀作さんは、胸をはり、いきを入れて、一発必殺の信念をこらしました。このときふと一本の木立が目にとまりました。それはしらかばのようです。「おや、見たことのあるけしきだぞ。」と、秀作さんは、突如こう思うと、自分の目をうたがいました。木は、なだらかな斜面に立って、下に雑草がしげり雑草にまじって、むらさき色の花が咲いていました。しゅんらんかもしれません。
「秀作や、私は、さっきからここで、おまえを見ているのだよ。どうかりっぱに戦って、日本男児として、はじない働きをしておくれ。」
おお、おかあさんだ。ほんとうにおかあさんが、あすこに腰をかけていられる。仕事着の、あのすがたで、腰をかけていられる。
彼は、我を忘れてそのそばへかけよろうとしたが、「む、だめだ。」と、はげしく頭をうちふって、自分でまぼろしをうちけし、じきにそのもえつく目は、前面の敵をにらんで、攻撃をつづけたのでした。