Japanische Klassiker mit Furigana
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すきやきとかもりょうり――ようしょくざっかん――
すき焼きと鴨料理――洋食雑感――
北大路 魯山人
Lesen Sie すき焼きと鴨料理――洋食雑感―― (すきやきとかもりょうり――ようしょくざっかん――) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.509 Zeichen · 6 Bildschirme
案内人を通じて、
「このお客は日本の東京近郊に住んでいて、家の前に大きな池があり、その池に大中小の鴨を何千羽も飼っている。音に聞えた鴨の研究家で、鴨の食い方、鴨の料理にやかましい人だ。特に研究家としては有名だが『自分ではあの焼き方が気に入らぬ』と言っている」
と、通訳してもらった。
上手に言えたかどうだか分らないが、ともかく、存外素直に持って来た。果せるかな、半熟でちょうどうまい具合に処理してあった。
これでよし。私はポケットに用意していた播州竜野の薄口醤油と粉わさびを取り出し、コップの水でわさびを溶き、卓上の酢でねった。私の調理法がどうやら関心を買ったらしく、タキシードに威儀を正したボーイたちがテーブルの前に黒山のように並んで、成り行きいかにと見つめていた。敢えてうぬぼれるわけではないが、かかる格式を重んじる店で、こんな仕方で調理したのは前代未聞のことであろう。並んでいるボーイ連中の関心も当然のこととうなずかれる。
大岡氏は長らくニューヨークに滞在した後だったので、
「久し振りの日本の味だ。蘇生の思いがした。日本趣味のよさを改めて考えさせられた」
と、たいへんよろこんでいた。