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Japanische Klassiker mit Furigana

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すみだがわ

すみだ川・新橋夜話 他一篇

永井 荷風

Lesen Sie すみだ川・新橋夜話 他一篇 (すみだがわ) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.378 Zeichen · 88 Bildschirme

Aozora Bunko

蘿月はその頃お豊の家を訪ねた時にはきまって甥の長吉とお糸をつれては奥山や佐竹ッ原の見世物を見に行ったのだ。

「長吉が十八じゃ、あの娘はもう立派な姉さんだろう。やはり稽古に来るかい。」

「家へは来ませんがね、この先の杵屋さんにゃ毎日通ってますよ。もう直き葭町へ出るんだっていいますがね……。」とお豊は何か考えるらしく語を切った。

「葭町へ出るのか。そいつア豪儀だ。子供の時からちょいと口のききようのませた、好い娘だったよ。今夜にでも遊びに来りゃアいいに。ねえ、お豊。」と宗匠は急に元気づいたが、お豊はポンと長煙管をはたいて、

「以前とちがって、長吉も今が勉強ざかりだしね……。」

「ははははは。間違いでもあっちゃならないというのかね。尤もだよ。この道ばかりは全く油断がならないからな。」

「ほんとさ。お前さん。」お豊は首を長く延して、「私の僻目かも知れないが、実はどうも長吉の様子が心配でならないのさ。」

「だから、いわない事ッちゃない。」と蘿月は軽く握り拳で膝頭をたたいた。お豊は長吉とお糸のことが唯何となしに心配でならない。というのは、お糸が長唄の稽古帰りに毎朝用もないのにきっと立寄って見る、それをば長吉は必ず待っている様子でその時間頃には一足だって窓の傍を去らない。