Japanische Klassiker mit Furigana
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すりかえかいが
すり替え怪画
海野 十三
Lesen Sie すり替え怪画 (すりかえかいが) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.746 Zeichen · 26 Bildschirme
ところが、その日の朝、伯爵はこの部屋にはいると、名画の中の二人へ朝の挨拶がわりに横眼でじろりと一眄した瞬間、異常を発見したのであった。
「ばかな。そんなことがあってたまるものか。僕の眼がどうかしているんだろう」
伯爵は、一旦発見したものを打消しながら、その名画の向い側においてある肘掛椅子のところまで歩いていって、くるっと廻れ右をして椅子に腰を下ろした。そして画面をもう一度しっかり見直したのである。
電気のようなものが、頭から背筋へ走った。
「あッ。この画はへんだ」
名画「カルタを取る人」の画面に異状があるのだった。伯爵は、毎日この名画に見なれているので、すぐ気がついた。この異状というのは、カードを持った右側の人の横顔がちがっている。型の崩れた帽子の下から出ているはずの耳が、今見る画にはない。つまり耳が帽子の中に隠れてしまっているのだ。
そしてこの人の顔つきも、たしかに変っている。平和な顔つきが、どぎつい神経質な顔つきになっている。それから驚いたことに、この右側の人物はパイプをくわえている。パイプをくわえているのは、左側の人物だけであったのに、今こうして見る画面では、二人ともパイプをくわえている。