Japanische Klassiker mit Furigana
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そのひからしょうじきになったはなし
その日から正直になった話
小川 未明
Lesen Sie その日から正直になった話 (そのひからしょうじきになったはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.341 Zeichen · 7 Bildschirme
「自分のうそは、けっして、悪いうそではないのだが、それでも、いってはいけないものだろうか?」と、少年は、自分の心に向かって、たずねました。
「それは、いけないにきまっている。うそをつくのは、人間として、卑怯なことだ。」と、自分の心と思われない、なんだか年とった、太い声が答えます。
このとき、同時に、それを打ち消すように、自分より、ずっと勇敢な、いきいきした、やはり、それも自分の心と思われないような声が、
「そんなうそは、いったってさしつかえない。小説でも、文章でも、みんな、うそのことを真実らしく書いてあるのじゃないか……。」といいました。
少年は、この二つの異なった、自分の心のどちらに従ったがいいか迷ってしまいました。
「小説はうそをつくものだということはわかっているが、おまえのいうことがうそだとわかれば、だれもおまえを信じなくなるだろう。」と、年とった太い声がいいました。
こうして、少年は、つねに、自分の良心をとがめながら、気が弱いので、ついみんなを笑わせたり、喜ばせたりしたいために、うそをつく癖を改めることができなかったのでした。
そのうそは、無邪気なものであっても、それをほんとうにした人は、あとでうそということがわかると、ばかにされたと思った。