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Japanische Klassiker mit Furigana

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『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ

たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】

佐藤 春夫

Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】 (『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.182 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

「何と云う云い草だね! それは?」

こちらでも何か云おうかなどと考えている最中にちょっとした地震があった。わたくしはす早く受話器を掛け残すとそのまま室の出口に身がまえした。

何しろ、大震災の記憶もまだあたらしい頃であったし、何らの被害も蒙らなかったわたくしにまで、地震の恐怖は大きく残っていたものであった。

しかしわたくしは自分で設計して十分にすじかいを入れさせたこの家に就ては、出来上ったばかりではあり、そう簡単に倒れもしないだろうという信頼もあり、地震の方も当分は大丈夫だろうと思いながら部屋の天井の中心でゆったりと揺れている電燈を見ながら、(柱時計はとまらなくとも、電燈があれだけに動くのはちょっとした地震だったのだ)必要があったら、いつでも飛び出せるような位置に、その態勢で構えて、地震よりも、また電話が鳴り出しはしないかとその方により多く気を取られながら居た。

そこへ今まで二階で掃除をしていた女連が地震のおさまった今になって、はしたなくどやどやと下りて来た。

「何だい騒々しく」

わたくしは先ず彼女たちをたしなめた。そうして二階での地震の状態を問うてみると、大したものではなかったが、一度にドカッと来たのでドキリとしたが家がゆれないので騒がなかったと云う。