Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
みなさんが笑った。ママは困ったような顔をしていた。Fさまがおっしゃった。
「あたくしなどもそうですが、日本や、日本の立場にばかり固執すると、わかるはずのこともわからなくなってしまうのね。なかなかいいご意見でした」
それからママのほうへむいておっしゃった。
「あたくしがいま心をいためているのはあの方のこと……それからポツダム条約で規定された新国家領域の範囲内でやっていけるかどうかというこの二つ……この年代のひとたちがしっかりしてくれているので、あの方にさえおかわりがなければ、あとはこのひとたちが立派にやってくれるでしょう」
歩廊をほのかな音のする半音のグロッケン・シュピールを叩いて歩く。耳がそのメロディに乗って主調音へさそわれる。
一番のワルツがはじまった。〈ワルツへの誘い〉だった。人影がサロンから大広間へ移ってきて、蜂の巣の中にいるような、リズムのある一種独得なさざめきがきこえてきた。
「このワルツの曲にはこんな思い出がございます」
ママ薯がしゃべりだした。みなさんがだまってきいている。ママ薯は今年の春ごろから急に文武両道をこころざして、会合へ出るときはいろんな本を読んで暗記してくる。