Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいこん

だいこん

久生 十蘭

Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

それであたしがいってやった。

「鍋墨なんかより靴墨のほうが文化的だよ。〈風とともに去りぬ〉にそんな場面があったね。赤かしら、黒かしら。あなたならチョコレート色が似合いそうだ。ブラッシで艶出しをかけるとジョセフィン・ベエカアみたいになるな。うけあいだ。真面目な話がさ」

久磨子さんが拍子ぬけしたような白々した顔で帰って行った。

どうもへんだ。緬羊にしたって芋虫にしたって、失礼だけど、アメリカもよっぽど北の、一年のうちに三度とは女の子の顔を見られないような辺境にいるアメリカ人だって、ちょっとやそっとで好奇心を起しそうもないご面相なんだから、アメリカ人が聞いたらさぞ腹をたてることだろう。アメリカ人の美的感情もずいぶん安っぽく見られたもんだと、かえってアメリカ人に同情したくなった。

ナルシスという希臘神話の神さまはたいへんな自惚れ屋で、泉にうつる自分の顔に見とれてニヤニヤしているので、神さまのボスに憎がられ、お前もうるさいやつだな、そんなに自分の顔を見たいなら、千万年も水のほとりにいて、ひとりでニヤついていろと水仙にされてしまった。水仙をナルシスというのはこういう縁起によるのだが、それはそれとして、神経病の一種にナルシス症状というのがある。