Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
お蔭で鎌倉組はすっかりひきたたなくなってしまった。
突堤へリムゥジン型の大きなランチが着いて、下士官のようなひとがテントへ入って来た。
「伺います。まちがいましたら失礼いたしますが、届出のあった慰問の演芸団はあなた方でありますか」
たいしたデリカシイだ。ホテル・ロアイヤルの給仕長だってこれほどにはやれまい。鎮子さんがいった。
「演芸団はこちらです」
「お迎えにまいりました。では、どうか」
船室のベンチに緑色の薄羅紗が敷いてある。あたしと珠子さんと鎮子さんが甲板の折椅子へ掛けた。ランチは突堤をはなれて左の岬をめがけて進む。機関の衝動がごとんごとんと突きあげて、ヒップのあたりがくすぐったい。ひとりでに笑いだしそうになる。
岬の突角をまわったすぐ裏に、びっくりするような大きな軍艦が一隻、傾しぎかげんにどっしりと碇泊していて、ランチが進むにつれて頭へ落ちかかるようにグングン迫ってくる。いつだったかカジノ・ド・パリで見た〈ツウロン〉というレヴュウの幕切れに出てくる、贋ものの日の出に照らされたスマートな軍艦にそっくりだが、近づくにつれて、スマートだのシックだのという詩的な印象は消しとび、熔鉱炉のある製鋼所か、大きな軍需工場へ入って行くときの圧倒されるような疲労を感じる。