Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
パパは最高決定の通達に朝の八時までにスイス公使館へ行かなければならないとかで、書斎へこもってなにかゴソゴソやっているようだったが、朝の四時ごろN新聞のTさんが電話で、昨夜、十一時に軍部へ終戦の大詔が出たので陸軍省と参謀本部の少壮将校が非常に激昂し、上野の山では警備隊が降伏反対の幟をたてて騒いでいる。不穏な形勢だと知らせてきた。しばらくするとこんどは表町の刀自さまから、反軍と学生の集団が首相官邸と平沼さんの邸へ爆弾を投げこんで火をつけたから、そちらでも注意するようにというお電話があった。
パパは十日以前の陰気な顔になってつぶやいた。
「ようやく日本がいくらか残るというところまで漕ぎつけたのに、馬鹿なさわぎをして、なにもかもふッ飛ばしてしまおうというんだ」
十六年にはH男爵と日銀総裁の謀議。久原さんのモスクワ行きの計画。H宮は老体の遠山さんを蒋介石のところへやって和平調整をさせようとなすった。遠山さんはただひとこと、最後のご奉公をいたしましょうとこたえ、いつ出発命令が出てもいいように、毎朝、水浴をし、食べものをつつしんで待っていられたがだめになった。