Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
あとで手紙でも書いて逃げだすことにする。あたしがでたらめをいった。
「軽井沢かしら、強羅かな……ひょっとするアビコかもしれないぞ」
「アビコ……どんな字を書くのでしょう」
ハガアスさんが紙とパアカアをよこした。でっかい字で〈我孫子〉と書いてみせると、ハガアスさんは考えてからいった。
「我妻をアヅマと読むことがありますから、(我)はアですね。これはいいですが、(孫子)をビコと読むのはどういうわけでしょう」
ハガアスさんに漢字をきかれるとは思っていなかった。
あたしは欧羅巴にすこし長くいすぎ、漢字のおなじみは多くない。だいいち我をアと読むなんて初耳だ。あたしはおそれいってあっさり兜をぬいだ。
「あたしたちのゼネレーションは日本の死語を相手にしないことにしている。懐古趣味はありません」
ハガアスさんは熱心に考えてからいった。
「わかりました。子の子はマゴ……孫の子はヒコ……だから“私の孫の子”と書いて“ア=ヒコ”と読ませるのですね」
あたしは呆気にとられてハガアスさんの顔を見た。
「ハガアスさん、たいしたもんだね。日本語の比較学まで手に入っているとは思わなかった。