Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
古い日本がいま絶命する。それにしても、表向き無傷の何百万人かの陸軍を持ちながら、鉄砲の音ひとつひびかせずに調印式までこぎつけるなんて、いつの世にも奇蹟はあるものだ。
空の上で雷の眷族が大騒ぎをしているような音がし、夏雲の中からプラチナの針金がきらめくような光のマスがあらわれたと思うと、間もなくそれが飛行機のかたちになった。パパがいっていた戦勝祝賀の空中ページェントだ。最初の編隊が鱶のような蒼白い腹をみせながら旗のないマストの上をグワと飛びすぎる。空気の波動でクラブ・ハウスも人も、ゆらゆらに揺れる。こんなに低く飛ぶB29を見るのははじめてだ。ジュラルミンとガラスのなんともいえない美しい結合。だいこんがうっとり見とれている。それにしてもすごい飛行機の数だ。映画の〈大地〉のイナゴの場面のようにあとからあとから夏雲の中から、無限に湧いてくる。ところで地上ではまだ今様歌がつづいている。
月の光はくまなくて
秋風のみぞ身にはしむ
なんというコントラストだ。なにもいうことはない。しおしおとヴェランダへ行くと、テーブルの上に御接待のエクレェルが大きな皿の上にピラミッド形に積みあげてある。