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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいこん

だいこん

久生 十蘭

Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

。待合室の奥で、コルクの栓抜きが軋むような耳ざわりなドイツ語がきこえるのでふりかえってみると、やはり戴冠式へ行く〈女ヒットラー〉、ナチス婦人団長ゲルトルート・ショルックリング女史と、ナチス婦人団の見学にはるばる日本からやってきた武徳会の薙刀の先生、黒田悦子師範ことママ薯が見送りの大使館の連中を相手にしてそうぞうしいドイツ語でおしゃべりしていた。

薙刀でひっぱたかれたあとだとみえ、おでこに瘤のようなしこりが出来、薄い眉の下に犬のような濡れた大きな眼がある。顴骨がうんととびだし、眼と眼の間がむやみに離れ、宋美齢のおしゃもじ面にそっくりだ。

師範のうしろに黒田彰子ことムスメ薯がカアネーションの花束を抱いて立っていた。ママ薯におとらないナチ・マニアで、この前パリへ来たとき、カーキ色のユニフォームに、BDM(ドイツ女子青年団)の〈三叉の物干棒〉のバッジをつけてルロンへ口紅を買いに行って、あっさりお断りをくったというトンチキだが、なんのつもりか鶴のように片足で立って、花束の間からあたしたちのほうを見ていた。

そのころママ薯は、日本婦人会を再組織して十五歳以上の女をのこらず加入させ、戦う日本のために〈強く勇敢なる婦人〉をつくりあげ、日本女子軍団を編成するというたいへんな抱負をもっていて、娘薯を連れてパリへ講演にやってき